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「わかっている」をまず疑おう トヨタ流に「原因の背後に真因がある」という言い方がある。 問題が生じた場合、「原因は何か」だけではなく、「本当の原因は何か」が重要になる。 たとえば、なぜ問題が生じたのかを調べた結果、一つの原因が見つかった。しかし、その原因の向こう側に、真因(真の原因) が隠れているのではないかと考える。 そして、「なぜ」を五回繰り返して原因を掘り下げていく。そうすることで初めて本当の原因もわかるし、正しい対策を打つことが可能になる。 それがトヨタ流の問題解決のスタートである。 こうした深堀りをしないままに表面的な原因だけに対応してしまうと、対策は中途半端なものとなり、結局は再び同じような問題を引き起こすこととなる。場合によっては、重大な事故につながることも少なくない。 二度と同じ問題を起こさないためには、多少時間はかかったとしても、本当の原因を見きわめることだ。そこに徹底した再発防止策を施すのがトヨタ流の問題解決法だ。 たとえば、業績不振の理由を聞かれ、「景気が悪いから」「天候不順で」という理由をあげる人や企業がある。マスコミも同じようなことを言っているし、特に誰も反論はしない。 だが、ここから解決策は生まれない。結局は、「仕方がないね」とか、「今は耐えるしかない」などという三日で話は終わってしまう。これではすべてが景気頼み、天候頼みになってしまう。 「景気が悪くてモノが売れない」という答えは、単純でわかりやすい。わかりやすいけれど、何の解決策も生まないのだ。 ここで一歩踏み込んでいく。ニーズはあったのか。値段は適正だったか。使いやすい商品だったか。そういったことを一つ一つ突き詰めていって、初めて「なぜ売れないのか」という本当の理由が見えてくる。その、本当の理由こそが、いい解決策を導くのである。 モノが売れない理由を外的要因ではなく、「お客さまのニーズに応えるモノづくりができていないから」という内的要因に求めるのがトヨタ流だ。 マスコミでモノが売れないと報じられようとも、実際にモノは動いている。売れているモノもたくさんある。売れないのは、「お客さまがほしいモノを提供できない自分たちが悪いからだ」と考える。お客さまとのズレを認識することで、初めて改善に着手することができる。 トヨタ流 仕事の哲学 若松 義人 (著)PHP研究所 |
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